コロナで在宅している方に向けて。今回は過去に引きこもって漫画を読み漁った私がオススメする日本の情景が美しく描かれている系の漫画のうちオススメの5作品をご紹介します。
目次
■蟲師/漆原友紀(全10巻+α)
蟲(現代でいう昆虫ではなく、怪奇や精霊、妖怪などの不可思議な存在、生命の根源に近いもの)を扱う専門職『蟲師』のギンコが蟲にまつわるトラブルを解決しながら旅をしていく話。主人公はギンコであるが、基本的には1話1話が独立しており、短編のストーリーを重ねることでゆったりと全体のストーリーができあがるようになっている。
時代背景としては江戸時代ぐらいであろうか。とても懐かしい田舎の風景を作者の繊細なタッチで見事に描いている。ゆったりとした話の流れではあるが、とても雰囲気のあるマンガで読むほどに世界観に飲み込まれていきます。
■ランド/山下和美(10巻~)
江戸時代末期から大正時代ごろの日本を思わせる、山間にある農村に住まう少女・杏が、禁忌とされる「山の向こう」や、人間を常に見張っているという、四方を囲む神に隠された真実を探ろうとするSFファンタジー作品。あまりネタバレになるようなことは書きませんが、途中から世界観が見えてくると一気にSF化します。
日本の閉鎖社会やこの国の発展の行きつくさきを考えさせられる漫画です。まだ完結していないので今後の展開が楽しみです。
■Sunny/松本大洋(全6巻)
『鉄コン筋クリート』『ピンポン』で有名な松本大洋の自伝的な作品です。舞台は親元で暮らせないこ子供たちは集う児童養護施設。園内に放置されているオンボロポンコツ車「Sunny」は、子どもたちの遊び場、言わば秘密基地のような大切な存在です。このSunnyの周りで子供たちは抱えた心の傷や過去や葛藤をどのように克服し成長していくのか。少年期の親への対する複雑な感情の動きをリアルにかつ丁寧に描かれていて読んでいてとても心がいたくなり、また暖かくなる作品です。最後には涙の結末が。
■バガボンド/井上雄彦(37巻~)
スラムダンクでの著者である井上雄彦が描く、日本人なら誰しもが知る剣豪『宮本武蔵、佐々木小次郎』の物語です。第一章では少年期から『最強』を目指す新免武蔵(後の宮本武蔵)が出世のために故郷をはなれ、様々な人と出会い、殺し合いをしていく中で成長していきます。第二章は佐々木小次郎の話です。耳が聞こえず言葉を持たない小次郎は、剣によってのみ人との絆をつくり、最強への道を駆け上がっていきます。現在は第三章として二人の出会い、そして最後の決戦に向けた話が進んでいます。
この漫画のすごさは何といっても圧倒的な画力です。筆で書かれるなど圧倒的に絵にこだわっておりその鬼気迫る画風は一見の価値ありです。個人的には画展にもいきまして井上雄彦は日本の漫画家で最も絵がうまい人物の一人だと思います。
■ゴールデンカムイ/野田サトル(21巻~)
明治末期の北海道を舞台にアイヌが秘蔵していた金塊をめぐり様々な思惑が動き出す。主人公は日露戦争帰りの元軍人『不死身の杉元』。ゴールドラッシュ伝説の残る北海道へ砂金を求めてやって来ました。そこで出会ったアイヌの少女アシリパと金塊の手がかりを持つ彼女の父を探す旅に出ます。
この作品は金塊を追う中で様々な思惑が混濁しかなり暴力的なストーリーもあるながらも、アイヌの生活や狩りの手法、アイヌ料理などホッとするシーンも多いです。またアシリパちゃんをはじめとする陽気なキャラクターがギャグ感満載で、全体的にはシリアスで思た目なストーリーながら要所要所で笑える話となっています。今後も展開が楽しみな作品です。
■まとめ
今回は古き良き日本を感じることができるマンガをご紹介しました。今回紹介した作品はどれも画力が高く、雰囲気がある漫画ですので是非大人に読んでほしいと思います。
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